〜深視力用メガネ事例集〜石川県金沢市の眼鏡店 OptPal(オプトパル)

 

●深視力用メガネの実例

 過去に、視機能トレーニングやプリズム矯正で深視力検査を改善できた実例をご紹介いたします。

事例1

自動車学校入校前の適性検査で深視力不良となった30代後半の男性です。
隣県より片道1時間以上掛けて来店されました。
大型免許用に作られたという眼鏡を持参されましたが、三桿計(深視力計)による深視力検査は行われなかったようです。
Rv=(1.5*Sph-1.75D Cyl-1.00D Ax90)
Lv=(1.5*Sph-2.00D Cyl-1.00D Ax90)
偏光立体視標では2分はクリアできますが、三桿計では中央の桿の動きも全くわからない状態でした。

両眼開放屈折検査による完全矯正値
Rv=(1.5*Sph-1.50D Cyl-1.00D Ax87)
Lv=(1.5*Sph-1.75D Cyl-0.75D Ax96)
眼位は2△基底内方、Worth4灯計では5m、40cmともに正常です。
プッシュアップ法による輻輳近点の測定で、 30〜33cmで右目が一旦外転し、また復帰するのを確認。復帰後の近点は20cmとなりました。
遠見融像幅
分離 6△Base In〜7△Base Out 回復 5△Base In〜5△Base Out
近見融像幅
分離 16△Base In〜14△Base Out 回復 10△Base In〜6△Base Out
輻輳側の融像幅がかなり狭く、右目の不安定な動きもあり、眼球運動に問題があるものと推測いたしました。

上記の完全矯正度数の試験枠を装用のまま、ビジョントレーニングの方法を解説し、その後しばらく練習して頂いた後で、プリズム無し、各眼0.5△、右眼のみ1.0△、各眼1△を基底内方に条件を変えながら深視力の測定を行いました。おぼろげながらに桿の動きがわかるようになり、中でも各眼0.5△の付加で最もよい結果が得られましたので、この度数で処方いたしました。

約一月後、再来店になられましが、とりあえず、深視力の必要の無い 大型特殊免許取得で入校し、
深視力検査がクリアできれば、大型免許に移行するという形で、自動車学校に入校されておりました。
再検査の結果、融像幅は、ほぼモーガンの基準値に相当する値が得られ、
プッシュアップ法(眼の内よせトレーニング)での右目の不安定な動きも解消され、
三桿計の検査では、連続15回のうち14回まで1cm未満の誤差で収まるように改善しておりました。
その後、無事大型免許の取得ができたという報告とお礼のメールをいただき、喜びと共に安堵いたしました。

事例2

60代の男性。奥様のメガネの調製のためにご夫婦で来店されたかたです。
奥様の検査中に、深視力計を興味深そうに眺められていたご主人ですが、
お話をうかがってみると、一応大型免許は取得してはいるものの、 更新のたびに大変苦労しているとのこと。
確かに左眼が外を向いているように見えます。

カバーテストでは、上下ズレを伴う右眼優位の交代性外斜視の様相、
遠見・近見とも、 ワース4灯は左眼抑制でした。
深視力検査をすり抜けて免許を取得できたことすら奇跡のように思える状態です。
しかし、時々視線が両眼視しているようにも見えるのでバゴリーニSGテストをやってみると、
60センチから1メートル付近では、間歇ながら両眼視できているようです。

両眼開放屈折検査での完全矯正値
Rv=(1.5*Sph0.00 Cyl-0.50 Ax100)
Lv=(1.5*Sph-0.50 Cyl-0.25 Ax90)
眼位は5△基底内方 左2.5△基底上方

外斜位、上下斜位の量ともに、さほど大きくもないのに間歇性の斜視となっていますし、
プリズムを完全矯正しても、左眼で見える偏光視標が消えたり薄くなったりするので(左眼抑制)、
両眼視の状態は余りよくないようです。
全く期待していませんでしたが、 三桿計ではあっさりと2cm以内の合格圏内をキープできました。

最終的な処方値
R=Sph0.00 Cyl-0.50 Ax100 2.5△B.in 1.25△B.down
L=Sph-0.50 Cyl-0.25 Ax90 2.5△B.in 1.25△B.up

フレームは玉型サイズ42ミリの丸メガネ、パンテオンに決まりましたので、
結構なプリズム量はありますが、最大フチ厚は3mm程度にスッキリと仕上がりました。

事例3

県内ですが、加賀地方から高速道路と有料道路を乗り継いで、自動車で2時間近く掛けてご来店いただいた50台の男性です。

現在使用中の眼鏡
Rv=(1.5p*Sph+2.50 Cyl-1.75 Ax175)
Lv=(1.5p*Sph+2.00 Cyl-2.00 Ax172) プリズム無し

作ったばかりのようですが、深視力の真ん中の棒の動きすらわからない深刻な状況でした。

両眼開放屈折検査での完全矯正値
Rv=(1.5*Sph+2.25 Cyl-1.75 Ax180)
Lv=(1.5*Sph+2.25 Cyl-2.50 Ax175)
遠見眼位は0.5△基底内方 左0.25△基底下方
近見眼位は正常

わずかな上下の斜位は、目の高さが左右で2mmほど違っているために起こる光学的なもののようで、
試験枠の傾き調整で無くなりました。
眼球運動は正常ですし、輻輳近点も5cmと正常ですので、融像力には問題なくプリズム矯正の必要は無いと判断し、
そのまま深視力計にて検査すると、ほぼ誤差も無く正答が得られました。

処方値
R=Sph+2.25 Cyl-1.75 Ax180
L=Sph+2.25 Cyl-2.50 Ax175 プリズム無し

現在使用中の眼鏡とはわずかな差しかありませんが、
両眼開放屈折検査→調節バランステスト→調節緩解テストという手順をしっかり踏んで余計な調節力の介入を防ぎ、
レンズの光学レイアウトを慎重に行い光学的な斜位を防ぐ だけで、
大きな差となって現れることを実感いたしました。

事例4

金沢市を流れる浅野川の中上流域にお住まいの40台前半の男性です。
自宅近くの量販店の入り口に「深視力検査ができます」との看板を見て相談されたところ
「メガネじゃダメですね。」と言われ、当店に来店されました。

両眼開放屈折検査での完全矯正値
R=Sph-3.25 Cyl-1.25 Ax165
L=Sph-2.75 Cyl-1.00 Ax170
眼位ズレなし、輻輳近点5cm異常なし、立体視視標1′までOK
深視力計で測定しても全く問題ありません。

乱視の測定の際、当店では反転式クロスシリンダーを使用しますが、
その検査中に
「さすがですね。○○○では3回ほどしかやりませんでしたよ。」と仰られました。
乱視の検査は他にもできます、とオートクロスや乱視表をお見せしましたが、見せられていないそうです。

最初にセットした乱視用検眼レンズが、たまたま度数、軸ともにピッタリだったとすれば、
理論上は2回で済むわけですが、 それでも念のため最低4回は振りたいところです。
ましてやこのお客様の場合、斜乱視で1ディオプトリー強の乱視があるのですから、
片眼あたり3回などとはナンセンス極まりない話です。
クロスシリンダーは被検者の負担も少ない検査ですから、より慎重に正確を期したいものです。

量販店に深視力計が置いてあることにも驚きましたが、いったい何のために置いているのか驚くと同時に理解に苦しみます。

事例5

2018.11.27追記

 とあるタクシー会社のかたから電話があり、
新規採用の運転手さんの深視力用メガネについて問い合わせを受けました。

 ご本人の来店後にお話しを伺いますと、
自動車学校はすでに卒業して、運転免許センターの適性試験で深視力で引っ掛かった。
店頭に「深視力検査機設置」と看板が出ているチェーン店に相談すると、
何か少し検査をやって 「深視力の苦手な目ですね。」 とダメだしされてしまった。
ということです。
なんか聞いたことのあるセリフと思ったら、 同じチェーン店でした。 ついでに言うと、事例4も同じチェーンの別の店です。

調べてみると 若干、左目に比べて右目の矯正視力が出にくい感じはありましたが、
大きな視線のズレもなく、立体視テスト30″もクリア出来ました。
三桿計を出して検査しましたが、やはり十分ボーダーライン超えてます。
取り立てて、深視力が苦手な理由も見当たりませんので、 先の店員の言葉は一体なんだったんだろう。 (店長だったようです)
自分のスキルと知識の無さを、お客さんの目のせいにするんじゃねぇ!
ただでさえ深視力検査に自信が無いところに持ってきて、
もし合格できなかったら決まりかけた職を失う事になる不安、
もちろん教習費用も無駄になってしまいます。
そういうところに「深視力が苦手な目」などと不用意な言葉を投げかけられて
さらに自信を失って、メンタルへのダメージが大きくなってしまっていました。
こういう場合、メガネ自体の調製よりも、 自信の回復というメンタル面の作業の方が難渋するんですよね。 (-_-;)

事例6

2021.1.7追記

 能登の、とある地域に住む高校三年生の男の子の深視力用のメガネの調製をしました。
就職が決まっていて、就職先から準中型免許を取得するように、との要請が出ており、
すでに自動車学校は卒業し、運転免許センターの適性検査で2回不合格になっています。
自動車学校は、反転する際の音を聞いて頭の中でカウントしてボタンを押せ、
という例の無茶な方法でで無理やり卒業させられています。

 大手チェーン店で作った
R=Sph-0.75D
L=Sph-0.25D
というメガネを所持されていましたが、これでは合格できず、
地元の眼科にも相談に行ったそうですが
・目ではなくて脳の問題
・仕事を変えたほうが良い

とまで言われる始末。 (そこまで言うのか!?)

 そこで、困り果てて、当店に来られました。
両眼視機能・両眼開放屈折検査の結果
R=Sph-0.75D Cyl-0.25D Ax105
L=Sph-0.50D
眼位は2△の外斜位でした。
これをそのまま装用すれば、深視力が出るというのであれば簡単ですが 事はそんなに単純なものでもありません。

 メシノタネ(当店の企業秘密)に抵触するのでこれ以上は書けませんが、
全く いつものルーチンワークの結果、
最初はちょっと不安定で少々焦りましたが、無事にボーダーラインまで来ました。

 深径覚、精密立体視は、確かに両眼の融像の結果ですので、
脳の問題というのは決して間違いではないですが、
その問題は、十分に解決できる場合があるわけです。
それをしないで、仕事を変えろ、などとあまりに無責任じゃないですかね。
眼のほうにも多少の問題があったのは事実ですが、
むしろ無責任な言葉のせいで、メンタルに受けたダメージのほうが大きかったのではないかと思います。

ご注意
多くの方が両眼視機能を考慮した眼鏡や練習により深視力検査に合格できるようになるのは事実ですが、
斜視や矯正視力の低下などにより、両眼視機能を改善することができない場合があることもまた事実です。
必ずしもすべての方が深視力検査に合格できることをお約束するものではありません。

 

◆ あなたのお近くで深視力検査のできるメガネ店は? 

深視力メガネ研究会

または

視覚機能研究会

深視力検査の可能な店をお問い合せ下さい。 

HOME深視力メガネのページに戻る

石川県金沢市の眼鏡店〜OptPal(オプトパル)